OW シーズン2の統計まとめ——猫バス構成のBAN率やウーヤンの勝率変化など
シーズン3の開幕を前に、シーズン2中に起きたさまざまな動向を統計の観点から振り返ります。
データ・アナリストのベン・トラウトマン氏の協力のもと公開された公式ブログの内容をまとめました。
ジェットパック・キャットの"猫バス"構成とBAN率

・4月中旬にCrazy Raccoonが公式試合に投入したタイミングと連動して、チャンピオン帯のBAN率が急上昇
・ただし一般プレイへの浸透には至らず、活用はプロシーンにとどまっている
・シーズン3で弱体化予定:運搬中の燃料回復レート低下+マイナー・パーク「運搬シールド」のライフ回復ボーナスも削減
ファラとシエラのBAN率——地域差が明確に

・原因はパークのベースキット化によるファラの火力強化。アジアサーバーに多くのプロが参加しているため、変化がいち早く現れた
・アメリカではファラのBAN率変化は小さく、代わりにシエラのBAN率が他地域を大幅に上回る
・アジアのシエラBAN率はピーク時でも28%と低め。脅威と感じるヒーローは地域によって異なる
ウーヤンの勝率が5月13日パッチ後に急上昇

・修正後、PCの全ランク帯で非ミラーマッチ時の勝率が約0.8%上昇(短期間で1%近い上昇は極めてまれ)
・一方でピック率はほとんど変化なし——勝率が上がっているにもかかわらず実戦投入は増えていない状況
マップの投票率——ランク帯で好みが大きく異なる


・全ランク帯ではハイブリッドとエスコートが人気上位
・マスター以上の高ランク帯ではコントロールが圧倒的1位(2位との差は約10%)
・高ランク帯ではランダム・マップへの投票率は低く、「自分たちで舞台を選びたい」という意識が数値に表れている
・フラッシュポイントは全体では人気最下位だが、高ランク帯ではプッシュと並んでよく選ばれている
シーズン3は間もなく開幕。新ヒーロー「シオン」や新マップ「NEON JUNCTION」にも注目です。
1週間を振り返る:シーズン2の統計をご紹介!
Blizzard Entertainment | 2026年6月12日
皆さん、こんにちは!シーズン3の開幕がいよいよ間近まで迫ってきました!先日公開された新ヒーロー「シオン」や新マップ「NEON JUNCTION」が待ち遠しいという人もきっと多いことでしょう。ちなみに皆さんは、ゲンジを主人公とした新作ショート「地に堕ちた雀」をもうご覧になりましたか?ゲンジとハンゾーの兄弟劇はもちろんのこと、シーズン3に向けた新展開も含まれていますので、まだという方は開幕をお待ちの間、こちらの小説もチェックしてみてくださいね。
それでは本題に入りましょう。今回の「1週間を振り返る」で取り上げるのは、皆さんの大好きな「統計」です。「OW」チームでデータ・アナリストを務めるベン・トラウトマンの協力のもと、ジェットパック・キャットのBAN率やモードの投票率など、このシーズン2中に起きたさまざまな事象を統計の視点から掘り下げていきます。
"猫バス"旋風とBAN率
まずはシーズン1から愛嬌と脅威を振りまくジェットパック・キャットの話題から。すでにOWCSの大会やOWWCの予選をご覧になっている人はご存じかと思いますが、ここ数か月、ジェットパック・キャットがバスティオンあるいはキャスディを吊り下げる、いわゆる"猫バス(キャス)"構成が大きな話題を集めています。
バスティオンの〈アサルト・モード〉とキャスディの〈デッド・アイ〉はどちらも圧倒的な火力を誇るアビリティの代表格。ジェットパック・キャットの〈ライフライン〉を併用すれば、その2つのアビリティを射線の開けた上空から不意に仕掛けられるということで、この編成はプロ・アマ問わず、良くも悪くも注目の的になりました。特に実際のマッチでこの構成の餌食に一度でもなった人からすれば、この編成の大会での台頭はトラウマの再来に尽きるでしょう。
ですが、じつを言うとこの"猫バス"系列の編成、安定的に活用されているのはプロ・シーンに限られているということが最近のデータで判明しています。
ライバル・プレイのロールキューにおけるジェットパック・キャットのBAN率の推移(PC、全地域、ランク別)このグラフのとおり、シーズン1の開幕後からシーズン2の開幕直後にかけて、ジェットパック・キャットのBAN率はランク帯を問わず徐々に減っていましたが、4月の中盤になってチャンピオン帯でのBAN率が急上昇し、その後ダイヤモンドまでの高ランク帯にもその傾向が波及していきました。
この急上昇が始まった4月中旬といえば、Crazy Raccoonが"猫バス"編成を公式試合に初投入した時期。両者の同時発生は決して偶然などではなく、"猫バス"のプロ・シーンでの投入に脅威を感じた高ランクのプレイヤーたちが率先してジェットパック・キャットを再びBANした結果、この編成の活躍がアマチュアのフィールド——つまり一般の「OW」のメタに波及するまでには至らなかった、という訳です。ちなみに、"猫バス"系列の編成はシーズン3で弱体化される予定で、運搬中の燃料回復レートが下げられるほか、マイナー・パーク「運搬シールド」のライフ回復ボーナスにもメスが入れられます。〈ライフライン〉の実用性がなくなるわけではありませんが、この下方修正により、この編成が一般シーンに浸透する可能性は今後も低めであり続けると見ていいでしょう。
ファラとシエラ - BAN率の地域差
以下のグラフのとおり、ヒーローのBAN率が地域別に大きく異なるという現象もこのシーズン2で見られました。
ライバル・プレイのロールキューにおけるシエラとファラのBAN率の推移(PC、全ランク、地域別)シーズン2の開幕からたった数日の間にアジア・サーバーでのファラのBAN率が2桁台で上昇し、その後を追うように、ヨーロッパにおけるファラのBAN率も上がっていきました。この急上昇の直接的な原因は、パークのベースキット化と差し替えによるファラの火力強化ですが、アジア・サーバーに多くのプロ・プレイヤーが参加していたからこそ、ここまでの変化に繋がったと言えるでしょう。BAN率がアジアを皮切りに変化するのは、これまでにも多く見られています。
アメリカ・サーバーにおけるファラのBAN率にそこまでの変化は見られず、逆にシエラのBAN率が他の2地域のそれを大幅に上回りました。対して、アジアにおけるシエラのBAN率はピーク時でも28%。脅威またはストレスフルと考えられるヒーローが地域ごとに異なる点を、このグラフからご理解いただけたかと思います。こうしたBAN率の地域差は「ヒーロー統計」のページにてリアルタイムで確認可能です。ご興味のある方は、ぜひこのページも活用してみてください。
ウーヤンの勝率
統計から判明する面白い発見はほかにもあります。皆さんは5月13日のパッチでウーヤンに加えた変更を覚えているでしょうか?このパッチでは、ウーヤンの〈玄武之杖(げんぶしじょう)〉の水球にアーマーのダメージ低減効果が二重に適用される不具合を修正しました。この変更はつまりどういうことかと言うと、アーマー持ちのヒーローに対する水球のダメージ量がそれまで、想定の2倍削られていたということです。熱心なウーヤン使いでもない限り「気づかなかった」で片づけられてしまうような些細な修正ではありますが、この変更が導入された後、統計で大きな変化が見られました。
ライバル・プレイのロールキューにおけるウーヤンの勝率の推移(PC、全ランク、全地域、非ミラー・マッチ)5月13日を機に、PCの全ランク帯でウーヤンの勝率がご覧のとおり、なんと0.8%も上昇しました。これは非ミラー・マッチ時——つまり、水球のダメージ増加のアドバンテージが打ち消されない状況下に限られた傾向ではありますが、勝率が短期間に1%近く上がることは極めてまれです。さらに面白いのが同時期のピック率。勝率が上がると、マッチへの投入頻度も比例するように上がっていくものですが、ウーヤンのピック率はというと、この勝率の急上昇後もあまり変化しませんでした。これを勝機と見てウーヤンの実戦投入を加速させるかどうかは皆さん次第です。
マップの投票率
以前の投票で皆さんがマップ投票の統計にも興味があるということが判明したので、今回の記事はこのトピックでしめたいと思います。シーズン2開幕時、私たちはコントロール用マップ「ANTARCTIC PENINSULA」(南極マップ)のリワークを実施しましたが、その影響にとどまらない変化がマップ投票率にも現れました。
ライバル・プレイのロールキューにおけるマップ投票の選択率(PC、全ランク、全地域)「リワークまたはデビュー直後のマップでプレイすると、もらえるXPが増加」、「同マップで敗北しても、ライバル・プレイの進捗減少量は少なめ」という措置をとった結果、コントロール全体の人気度は南極マップのリワーク後もあまり変化せず、エスコートに次ぐ順位を維持しましたが、マップ全体の投票率を見ると、モードを問わず大きく下がりました。
これはシーズン2の開幕とともに導入された新たな選択肢「ランダム・マップ」の影響によるもので、開幕時にはなんと投票の25%がこのランダム選択に集中しました。その後時間の経過とともにランダム・マップの投票率は下がっていきましたが、現在も18%の水準を維持しています。
SNSなどでは「このモードをライバル・プレイで遊んだことがないけど、ある人は真逆のことを言う」、「どっちが本当なのか」という類の話題が頻繁に挙がっているようですが、この点についても統計の観点からはっきりとさせておきましょう。
ライバル・プレイのロールキューにおけるマップ投票の選択率(PC、マスター以上、全地域)全ランク帯を対象にした場合、ハイブリッドとエスコートが特に人気ですが、上のグラフをご覧のとおり、マスター以上のランク帯ではコントロールが最もよく選ばれています。投票率1位のコントロールと2位の差は10%近く。この点からも最高ランク帯におけるコントロールの圧倒的な人気度がわかるでしょう。全体でみると人気度が最も低いフラッシュポイントも、プッシュと並んでよく選ばれています。逆に最高ランク帯で見られない傾向として挙げられるのがランダム・マップへの投票率。「戦いの舞台は自分たちの手で選びたい」という高スキル・プレイヤーたちの意図が、この数値からうかがえます。
つまり、ライバル・プレイでフラッシュポイントをプレイしたことがないという声も、普段はエスコートを選ばないという声も、統計の観点から言えばどちらも正解。ランク帯によって見る景色が変わる——ただそれだけのことなのです。今後SNSなどでこの話題がふたたび挙がった際、上記の傾向を思い出すと、話し相手に対する意識や言葉の強さも変わるかもしれません。
今回の「1週間を振り返る」は以上です。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。シーズン3の開幕をお楽しみに!
