ウーヤンの開発者インタビューまとめ―「キャラ難易度」「好相性ヒーロー」「ボツになったスキル案」など
新サポートヒーロー「ウーヤン」について、Blizzardの開発チームがgamesandwichによるインタビューに応じました。シニアプロデューサーのKenny Hudson、シニアナラティブデザイナーのJoshi Zhang、リードキャラクターコンセプトアーティストのDaryl Tanが、キャラクター創造の舞台裏を語っています。
世界を広げるストーリー設計
Zhang氏のコメント
「Overwatchの世界は巨大で、世界を小さく感じさせたくないのです。中国系開発者として、まだ触れていない中国文化の異なる側面を探求することが重要でした。大学や五行思想を中心に据えることで、あまり光が当たらない美しい中国文化の多様性を表現したかったのです」
個人的な体験から生まれたストーリー
Zhang氏の個人的な体験
「ストーリーを書く際、家族に恩返ししたいという気持ちや、それに伴う恥や罪悪感について、非常に個人的な経験を描きました。両親の夢に応えられなかった時の気持ちや、そこからどう立ち直るかを探求しました。若い頃の私には共感できるキャラクターがいなかった。多くの若いプレイヤーが自分自身を見つけ、自分にもヒーローになる力があることを理解してほしいのです」
魔法ではなく技術
Zhang氏が強調するポイント
「杖や水の動きはすべて技術によって制御されており、魔法は一切関係ありません。杖は空気中の水分を凝縮し、イオン化するなどの処理を行います。『修行を積んで水を操る』という中国的ファンタジーを表現したかったのですが、Overwatchには魔法は存在しないため、技術的な説明に留めています」
水の表現における技術的挑戦
Hudson氏が語る開発の困難
「Overwatchは様式化されたアートスタイルを持っており、ウーヤンの水が環境やマップの既存の水と差別化されることが重要でした。エンジンチームにとって大きな挑戦となりました」
Tan氏が説明する波の表現
「当初は単純な津波を想定していましたが、壁や柱にぶつかった時の処理を考慮し、三角形の波が連続する形に変更しました。一部が消失しても残りが進み続けることができます」
難易度と相性の良いヒーロー
Hudson氏による評価
「難易度は見た目ほど難しくありません。習得は簡単、極めるのは困難という設計です。サポートヒーローの中では中程度の難易度で、アナやゼニヤッタより簡単です」
相性の良いヒーロー
「ルシオやドゥームフィストなど機動力の高いヒーローがウーヤンのアルティメットと相性が良いです。リーパーのテレポート→ウルトとの組み合わせも強力です」
NetEaseからの文化的フィードバック
Tan氏が明かす外部協力
「中国のヒーローを適切に表現するため、NetEaseから文化的フィードバックを受けました。衣装のテキストや、武器に使用する中国の神話的生物の選択について助言をもらいました」
Zhang氏の影響源
「『射雕英雄伝』の主人公からインスピレーションを得ました。武侠カンフーファンタジーの要素を取り入れ、世界中に向けてクールに感じられ、同時に私たちのような背景を持つ人には『これ子供の頃見た!』と思ってもらえるものを作りたかったのです」
没になったアビリティ
滝のギミック
「ガーディアンウェーブに高所から低所への滝機能がありましたが、見えない力で押し飛ばされるのが不公平だとして削除されました」
杖を使った移動
「杖の上に立って少林寺の僧侶のようなポーズでバランスを取り、杖が伸びて空に送り出すアビリティがありました。『西遊記』的な要素でしたが、中国の協力者からのフィードバックで、西遊記は使い古されており、中国にはもっと多くの素晴らしいストーリーがあるとして変更しました」
新ヒーローのウーヤンはシーズン18にゲームに実装。8月15~19日には先行体験が開催され、プレイヤーが実際にふれる機会が提供されます。