新ヒーロー「シエラ」誕生秘話——開発チームが語るキャラクター制作の裏側
シーズン2から登場した新ヒーロー「シエラ」。
ホットピンクのアクセントとロングの編み込みが印象的な彼女が、どのようにして生まれたのかをBlizzardのナラティブ・チームが解説しています。
開発の背景を簡単にまとめました。
基本情報
・シーズン2より登場したダメージヒーロー(51番目のヒーロー)
・グレネードとドローン(通称「ドロシー」)を使って戦う
誕生の経緯
・OWの既存設定「強化兵計画」を深掘りする狙いがあり、謎の人物"ソルジャー00"=シエラの母・ケンドラ・ウッズの存在が物語の核となっている
・現在の時間軸では、失踪した母を12年間探し続けているという設定
文化的背景へのこだわり
・髪型・スタイル・話し方まで細部にわたって丁寧に作り込まれている
・声優はヴァージニア州出身のKhaya Fraitesさんが担当。話し相手によってアクセントの濃さが変わるという細かい演技も聴きどころ
キャラクターの個性
・ドローン「ドロシー」には手書きのニックネームと蝶のステッカーを貼るなど、遊び心もたっぷり
・一方で軍人らしい誇り高い一面もあり、自分自身の能力への強い自信が随所に表れている
以上がシエラ誕生の裏側です。詳しくはゲーム内のストーリーコンテンツやモーション・コミックもあわせてチェックしてみてください。
1週間を振り返る:新ヒーロー「シエラ」誕生秘話
Blizzard Entertainment - Liz Richardson | 2026年4月27日
オーバーウォッチには、法の目をかいくぐり裏社会で暗躍するヒーローが多数登場します——そして新ヒーロー「シエラ」は、そんな彼らとはまさに真逆の存在です。
ホットピンクのアクセントカラーと編み込んだロングヘアーが目を引くシエラ・ターナー・ウッズが、シーズン2の開幕とともに鮮やかなデビューを果たしました。正義感と自信、そして優れた身体能力を持つ彼女はタロンの新たな目論見を阻止すべく、グレネードとドローンを駆使してオーバーウォッチとともに戦います。
今回の記事では、そんなシエラがいかにして生まれたのか、これから「オーバーウォッチ」の物語にどのように関わってくるのか、ナラティブ・チームが徹底解説します。過去の物語との繋がり
51番目のヒーローの初期のコンセプトは、「アメリカを拠点とする軍人のダメージヒーロー」でした。そこで、シニア・ナラティブ・デザイナーのジュード・ステイシーはこの設定を活かし、「オーバーウォッチ」の物語を構成する重要な要素「強化兵計画」を掘り下げようと考えました。
2014年に「オーバーウォッチ」が発表された時点では、ソルジャー76とソルジャー24(現在のリーパー)が強化兵計画のメンバーであったことが明かされています。その後、イラリーとソルジャー76がこの計画にまつわる物語を展開しましたが、彼らがそれぞれの道に旅立った今、その歴史に迫る新たな役割が必要でした。そうしてナラティブ・チームは、強化剤の初の被験者となった"ソルジャー00"の出自を追求することを決めたのです。
ストーリーの現在の時間軸では、シエラは失踪した母を探して12年目になります(背景を詳しく知りたい方は、ゲーム内のストーリーコンテンツやシエラのモーション・コミックをぜひご覧ください)。そんなシエラの母、ケンドラ・ウッズ(失踪前の姓はバンクス)の謎を娘の視点から解き明かしていくことで、ナラティブ・チームは次世代のオーバーウォッチのヒーローを新鮮な角度から描き出すことができました。
シエラは幼い頃から自身が特別な能力の持ち主であることに無自覚で、すべては母の教えによるものだと信じてきました。ところが実のところ、高等教育を受けたウーヤンやアンラン、そして火星から来た特異な存在であるジュノとは違い、シエラは稀有な力とそれにつきまとう危険をも母から受け継いでいたのです。そして彼女の物語は、母の謎と自身の力の所以を軸に織りなされていきます。
「プライド」との繋がり
母とアメリカ各地を巡り、父と数々の頂きを制覇し、山岳分隊の仲間と成功を重ねてきたシエラ。彼女の生き生きとしたパーソナリティは、大勢のコラボレーターの協力によって生み出されました。
「オーバーウォッチ」のコミュニティは長年、現実的に描かれたアフリカ系アメリカ人のヒーローを熱望してきました。そこで開発チームは、51番目のヒーローでその想いに応えることにしたのです。
彼女の物語の全体像を描くにあたっては、アメリカ南部での居住経験があるナラティブ・チームのデザイナーたちが自身の体験を共有してくれました。そして正確に文化を反映するために、Blizzardの黒人スタッフ・ネットワークを招いて、シエラのスタイルや髪型から話し方に至るまで詳細な監修を受けました(英語音声では、アフリカ系アメリカ人英語とアメリカ南部訛りの両方が取り入れられています)。
シエラの出身地域は当初明確にはされていませんでしたが、ヴァージニア州出身のKhaya Fraitesさんを声優として迎えたことから、特徴的なアクセントへの理由付けとして、母の失踪後に父とヴァージニア州に住み始めるという設定を追加しました。
またボイス・ラインについても、Khayaさんと黒人スタッフ・ネットワークの知見が大いに取り入れられています。英語音声のシエラは話し相手によってアクセントの度合いが変化し、親しみを感じている相手や同じ南部訛りを持つヒーロー(アッシュやキャスディ)に対しては、そうでないヒーロー(リーパーなど)と比較してアクセントがより顕著になります。興味を持った方は、ぜひ英語音声をお確かめください!
現代のアメリカを生きる黒人若年女性を話し方や振る舞いなどから再現することが、ナラティブ・チームにとって何よりも重要な課題でした。そしてシエラのセリフに対するKhayaさんのアレンジは、この課題をクリアするうえで多いに役立ちました。例えば、シエラが対外的に母・ケンドラのことを話す時は"mother"を使う一方、直接母と話す時やモノローグにおいては"mom"を使いますが、こちらもKhayaさんの提案を元に行われた変更です。こうした提案の一つ一つが、リアルでエネルギッシュなシエラらしさを形作る要素となったのです。きらめく個性で彩る世界
強化兵の血を引き、25年間数多くの地を転々としてきたシエラ。どれほど困難な状況でも明るさを忘れずに乗り越えようとするところは彼女の魅力であり、ナラティブ・チームが意識した特徴でもあります。
シニア・ナラティブ・デザイナーのジュードはシエラを「山頂に立って新鮮な空気をお腹いっぱいに吸って、すぐにまた次の登山に向かうような性格」と言い表しています。
この特徴づけは"ヘリックスの兵士"という堅物なイメージを和らげるための方策でした。彼女の遊び心は相棒であるドローン、通称「ドロシー」にも表れており、ドロシーの機体は手書きのニックネームと蝶のステッカーで飾られています(ここでコミュニティの疑問にお答えすると、ドロシーに自我はなく、シエラが自身の経験を活かして標準装備にアップグレードを施しています)。
シエラはピンク色とパプフィッシュをこよなく愛していますが、見せるのは決して甘い一面ばかりではありません。ボイス・ラインの中には、ソジョーンやファラを思い出させる真面目な軍人らしい掛け声も散りばめられています。これは、黒人スタッフ・ネットワークの助言を受けてナラティブ・チームが強調することにした、彼女の自分自身と自分の能力に対する"プライド(誇り)"の表れと言えます。
あらゆる出自を持つ個性的で手強いヒーローたちが存在するオーバーウォッチの世界で、私たちはシエラが独自の輝きでプレイヤーに愛されるヒーローとなること、そして今後の物語の担い手としての活躍が見られることを楽しみにしています。


