週刊99DVアカデミー:第3回 —ヒットスキャン必見、DPSの本領を発揮する「ディールアングル」の秘密

OWCS JAPANでも活躍した99DIVINEが、日本のオーバーウォッチ界をさらに盛り上げるための育成プロジェクト「99DIVINEアカデミー」を開校!

開校記念企画として、おばにゅー × 99DIVINEのタイアップ企画「週刊99DVアカデミー」を連載中です。(第1,2回はこちら)

今回は、実際に99DIVINE ACADEMYの講師を務め、Lazuli・PNHB・99DIVINEでもコーチとして活躍したGyominコーチによる「DPS解説編」

圧倒的なフィジカルで敵を破壊する TEAM FALCONS Mer1t選手のプレイを題材に、ヒットスキャンの立ち回りをわかりやすく解説してもらいました。


🧭 この記事の内容
🔥 1. DPS(ディーラー)の基本的な役割
🎯 2. ディーラーの3つの主要任務
📐 3. ディールアングルとは?
🧩 4. 良いディールアングルを作る方法
💥 5. Mer1t選手のプレイ分析
🏔️ 6. 実際のシーン解説
✅ 7. まとめ ― 戦闘を設計する“戦略的DPS”

オーバーウォッチのDPS(ディーラー)講座

今日はオーバーウォッチのダメージディーラー(DPS)について学んでいきましょう。

ディーラーは「キルを取るだけの役割」ではありません!

1. ディーラーの基本的な役割

ディーラーはチームの火力の中心であり、戦闘のバランスを崩す存在です。

敵を攻撃してプレッシャーを与え、味方が戦いやすい空間(スペース)を作ることが仕事です。

「キルを取る」ことがすべてではなく、ダメージ(DPS)で敵の動きを制限し、行動を止めることこそが本当の目的です。

2. ディーラーの3つの主要任務

①ダメージプレッシャー
・継続的にダメージを与えて敵を圧迫する

・敵ヒーラーが回復に追われ、味方タンクが動きやすくなる

②攻撃できる角度(ディールアングル)を作る
・攻撃できる位置・アングルを設計する

・高台・側面・壁の隙間などから複数方向で圧力をかける

③キルキャッチ
・体力の減った敵をすばやく倒す

・一人落とせば数的有利→チームファイト勝利に繋がる

3. ディールアングルとは?

「敵を最も効率よく攻撃できる位置・方向」のことです。

ディールアングルとは:

・視野が広く

・被弾しにくく

・味方ヒーラーの回復が届く位置

複数のディールアングルを同時に作れば、敵の視線が分散し回復や防御スキルが分散使用され
→ 結果的にチームファイトで勝ちやすくなります。

つまり、「ディールアングルを作る」というのは単なる立ち位置争いではなく、戦闘の流れを設計する戦術行為なのです。

4. 良いディールアングルを作る方法

①チーム中心で考える

「自分がアングルを作る」ではなく、「チーム全体の戦闘の流れの中でアングルを作る」ことを意識しましょう。

タンクが突入するなら、反対側や別アングルからダメージを合わせると完璧な連携になります。

②どこに力を入れるか判断する
戦闘ごとに「今回はどの方向が主軸になるか?」を考えます。

・ウィンストンが左から飛び込むなら → 自分は中央や右から援護射撃

・チームが押されているなら → 無理せずヒーラーの近くで立て直す

③フランク(側面攻撃)は目的ではなく手段
フランク=常に回り込むことではありません。

敵の視線を分散させるだけでも十分な価値があります。

成功するフランクには3条件があります:

・敵ヒーラーの位置を把握している

・味方の突入タイミングと合っている

・安全に戻れるルートを確保している

④ディールアングルは動きながら作る
同じ位置に長くいるとすぐ狙われます。

「撃つ → 隠れる → 位置を変える → もう一度撃つ」

このリズムを繰り返して、被弾するアングルを常に変える意識を持ちましょう。

⑤リテイクでは“視線を奪う”ことが重要
正面が固くて突破できない時は、正面突破を狙わずに短い側面や高台で視線を引くのがコツです。

その数秒間で、味方タンクが再び前線を押し上げるチャンスを作れます。

6.まとめ

ディーラーは「フランカー(暗殺役)」ではなく、戦場のアングルを設計する戦略家です。

ダメージで圧をかけ、

ディールアングルで敵を揺さぶり、

キルで戦闘を締めくくる。

良いディーラーとは、キル数が多い人ではなく、チーム全体が戦いやすい環境を作れるプレイヤー
のことです。

Mer1tの判断ポイント

1️⃣ 相手の構成を確認

試合開始直後、Mer1tは相手の構成が「D.Va・ソジョーン・ウーヤン・キリコ・トレーサー」であることを確認します。

この構成は「距離を取りながら有利な位置を取って戦うタイプ」だと判断しました。

D.Vaは弾を吸収できるため、正面からキャスディの攻撃をしても通りません。

→ つまり、正面の撃ち合いは不利な構図です。

2️⃣ フェイクプレッシャー(偽の動き)

Mer1tは左側へ“アングルを取るふり”をして、相手のD.Vaの視線を誘導します。

D.Vaは「左から攻撃が来る」と思い、正面へポジションを取ります。

→ ここがMer1tの狙いどころ。

3️⃣ 瞬時の判断 — アングルの切り替え

D.Vaが正面に出た瞬間、上の高台にいたSkewedが少し孤立しているのを確認。

その瞬間、Mer1tとブリギッテ(Chiyo)が一緒に回り込み、左下から右の高台方向へと素早くアングルを変えます。

「正面が通らないなら、すぐに回る」理想的な判断です。

4️⃣ 結果 — “一人の動き”が生んだチャンス

Mer1tが回り込んだタイミングで、相手のD.Vaが孤立。

ブリギッテとキャスディのコンボで素早くヒーラーラインを崩し、ファーストキルを獲得。

その後、Falconsは人数有利を作り、戦闘を掌握しました。

キーコンセプトまとめ

🔍 正面不利の把握

D.Vaがいる時、キャスディの攻撃はほとんど通らない。

🎭 フェイクプレッシャー

「行くふり」だけで相手の視線を引きつけられる。

🔄 瞬時のアングル変更

正面が詰まったら、すぐに別の方向へ回る。

👥 2人の連携

ブリギッテと一緒に動いたからこそ、安全にキルを取れた。

Mer1t選手は単に正面から撃つのではなく、構成上の不利を理解し、“回り込んで攻めるアングル”を選びました。

この考え方は初心者にもとても大事です。

もし正面が通らないなら、一度視線をズラして別のアングルからチャンスを作る。

実際のシーン

シーン解説 — 「良いポジション = キャスディの力が最も発揮される瞬間」

状況概要

時間帯:中盤の交戦直前

Team Falconsはペイロードでは遅れているが、ポジションでは優位を取っています。

マップ構造:橋の上と下で分かれており、一方は高台、もう一方は開けた平地です。

両チームの状況比較

構成

Team Falcons(Mer1tチーム):D.Va、トレーサー、キャスディ、キリコ、ブリギッテ
T1(相手チーム):D.Va、トレーサー、ソジョーン、ブリギッテ、キリコ

位置

Team Falcons(Mer1tチーム):橋の上(高台)
T1(相手チーム):ペイロード付近(低地)

主導権

Team Falcons(Mer1tチーム):空間的優位(上から攻撃可能)
T1(相手チーム):ペイロードに張り付く必要があり、動きが制限される

Mer1tの判断ポイント

1️⃣ 相手はリードしているが、位置は不利
T1はペイロードを進めるために前へ出ざるを得ません。

つまり、「距離のある戦い」を避けられない状況です。

2️⃣ Mer1tのキャスディは高台ポジション
視界を広く取り、距離を維持し、安全に遮蔽物を利用できます。

下から上がってくる敵に対して安定してダメージを与えられます。

特にソジョーンよりも高台戦では有利です。

ソジョーンはスライドによる横方向の機動が得意ですが、縦方向(上下)の戦闘視点には弱いためです。

3️⃣ 「相手が来ざるを得ない位置」で攻撃する
初心者がよくやるミスは「自分から前に出て撃つ」ことですが、Mer1tはその逆。

「敵が前に出るしかないアングル」待ち構え、「迎え撃つ形」でディールアングルを選びました。

💥ポイントまとめ

🧱 位置の強み

高台・遮蔽物・視界確保によりキャスディの性能を最大限発揮

🎯 入ってくる敵を狙うアングル

ペイロードに近づく敵は避けられず、撃ち合いで有利

💪 距離戦の最適化

中距離ではキャスディの精度と安定感が最大化

⚔️ ソジョーン対策構図

ソジョーンは横移動に強いが、縦の射線には弱い

今はペイロード戦だから、相手は前に出なければならない状況です。

Mer1tはこの構造を利用し、“入ってくる相手”を上から迎え撃つアングルを選びました。

キャスディはこのように距離とポジションのアドバンテージを活かす時にこそ、真の価値を発揮するヒーローです。

実際のシーン

シーン解説 — 「リテイク+ウルト戦=チームが一体となって押し込む戦い」

状況概要
Team Falconsは一度チームが崩れた後、再度入り直すリテイクのタイミング

相手のT1はすでに有利な位置を確保し、ペイロード付近を制圧しています。

Falcons側はブリギッテのアルティメット(ラリー)を使って、再び戦闘を仕掛ける場面です。

つまり、「不利な突入をウルトの力で覆すターン」ということです。

リテイク・ウルト戦の原則

1️⃣ 相手はポジション優位(ペイロード付近・高台)

Falconsは開けた場所を通って進まなければならない状況。

この時に個々が離れて動くと、すぐにピックされる危険があります。

2️⃣ だからこそ、ブリギッテのラリーを中心に“まとまる”必要がある

ラリーは味方が近くにいると効果が高いため、「ウルトで押し切る近距離戦」がこの戦いの本質です。

3️⃣ Mer1tのキャスディの役割

普段のようにアングルを広げて撃つのではなく、ブリギッテを中心としたインファイトに参加します。

ラリーバフ(アーマー+防御力)を受けながら、正面から火力を集中させ、敵のDPSやサポートを落とす役割を担います。

🎯 Mer1tの判断まとめ
「これはただのウルト戦じゃない。

ポジションで負けた状況を取り返す“リテイク・ウルト戦”だ。

だからアングルを広げず、ブリギッテのラリーバフを受けて一体となって正面を押し込むのが正解だ。」

Mer1tはこの場面で、個人プレーよりチームのテンポを優先しました。

リテイク時にブリギッテのウルトが発動したなら、キャスディは孤立せず、正面の近距離火力で戦うべきです。

「ウルト戦+リテイク」は、チーム全員が一つになって押す戦いであることを忘れないでください。

実際のシーン

まとめ

結局、DPS(ディーラー)は「キルを取る人」ではなく、「戦闘の流れを作る人」です。

Mer1tのように、

・状況に応じてアングルを変え、敵の視線を揺さぶり

・必要な時はチームの中心に加わり、戦いの勢いを作る。

これらの動きは単なるエイムや反射神経ではなく、「いつ・どこで・どう戦うか」を読むゲームセンスの結果です。

リテイクでもウルト戦でも、良いDPSは単独で突っ込むのではなく、チームの呼吸に合わせて戦場を設計する存在です。

要約すると:

「ポジションを見て、チームを見て、戦いの流れを読むことができる者こそ、 本当に強いディーラーである。」

管理人
Mer1tってエイムで粉砕してるイメージあったけど背景にはこんな思考があったんだな

管理人
ディールアングルの考え方は常に頭に置いておきたいね

管理人
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管理人
教材を読んだ感想や、内容を実践した様子はXにて「#99DVアカデミーログ」で投稿をお願いします🙏

管理人
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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    めっちゃ良い記事だった。
    ありがとう管理人さん。

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  2. 匿名 より:

    タンクにとって最も大切なのは、スペース(空間)を作ること
    サポートはチームを支える人
    DPSはダメージで敵の動きを制限し、行動を止めることこそが本当の目的

    これらを表面だけ学ぶと誰もキルを取れないチームが出来上がります
    気をつけてください

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    • 匿名 より:

      そんな学習能力の人は何しても望みないやん

    • 匿名 より:

      俺等のゲームなら全くその通りだと思うけど、突き詰めるとキルなんて発生しなくてもいいんじゃないの
      要は相手に有利なポジションを取らせずオブジェクトから追い出せればいい

      その為に両チームエリアを広げたり、HPの削り合いをした結果キルが生まれるだけで

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  3. 匿名 より:

    これ読むとフランクポークシンメトラの強さって中々ヤバい
    TPを使った退路の確保やサイド展開出来るスピード、メジャーパークの解放が出来たらヒールすらほぼ必要としない。更にタレットでの自陣エリアの防衛やエリアコントロールまで出来るんだからそりぁ強えってなる

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