DEVELOPER Q&A JAPAN /開発による日本向け質疑応答の回答が公開
先日行われたDEVELOPER Q&A JAPAN /開発による日本向け質疑応答の回答が公開されました。
『DEVELOPER Q&A JAPAN』とは?
質問はオーバーウォッチ日本公式Xにて5月21日(火)〜22日(水)AM11:59の期間で寄せられた100件を超える中から最も話題になっていたものピックアップしました。
また、今回の『DEVELOPER Q&A JAPAN』の質問テーマは「ミッドシーズンパッチ ヒーローアップデート」となっております。
残念ながら回答の質問として選ばれなかった方の質問も貴重なフィードバックの1つとしてしっかり確認させていただいておりますので、予めご了承くださいませ。
Q.1
裏付けとなるデータがあれば嬉しいです。
私たちが確認している限り、パフォーマンスの差という観点からこのパッチの恩恵を特に受けているヒーローは、アナ、ジャンクラット、ファラ、ロードホッグ、シグマ、レッキング・ボール、ザリアの7人です。
影響の度合いはヒーローを問わずだいたい似ていましたが、バスティオン、D.Va、マウガ、オリーサ、リーパーにはパフォーマンスの低下が見られました。
こうした変化の大半は、アーマーやヘッドショットによるダメージの減少などである程度予想していましたが、ザリアのパフォーマンスの向上とD.Vaのパフォーマンス低下は少し意外でした。
ヘッドショット由来のダメージを減らしたおかげで、タンクの耐久性に関する調整がうまくまとまりましたが、ザリアの武器は依然アーマーを持つタンクには非常に効果的です(その結果、ザリアは非対称の勝率が約4%上昇しました)。
D.Vaの「フュージョン・キャノン」の効果がアーマーを持つタンクに対して薄くなることはわかっていましたが、タンク同士の戦いにおいて想定以上に優位性を失う結果となりました(非対称の勝率が約4%減少)。
Q.2
非対称の勝率などのビッグデータが公開されていない、変更に上位500のプレイヤーやインフルエンサーの意見が必ずしも反映されていない、というのが大きな理由と考えています。
パッチごとに調整の根拠となるビッグデータを公開する予定はありますか?
ぜひ公開してほしいです。
「Overbuff」などのウェブサイトに掲載されている勝率などのデータは、完全な情報が網羅されているわけではありませんが、基本的にかなり正確です。
戦績などの透明性をあまりに高めると、プレイヤーが数値上のメタに左右される、ある種のフィードバックのループが生じてしまうのではという意見もあります。
しかし、こうした現象は戦績などのデータを抜きにしても、ヒーローに関する議論全体である程度生じるものです。
私たちは、各ヒーローのマスター以上のランク帯における非対称の勝率が45~55%に収まるよう努めていますが、それでも勝率は日によって2~3ポイント程度変動します。
これはマップとの相性でヒーローの勝率にバラツキが出やすい中、世界全体の平均値を参照しているために生じます。
もちろん、プレイヤー個別のパフォーマンスに差があるのも要因の1つです。
ピック率の低いヒーローほどこのようなバラツキが大きくなり、勝率に実際のヒーローの強さが反映されているかがわかりにくくなります。
逆にピック率が異様に高いヒーローの非対称の戦績にも、同様の問題があります。
戦績をきちんと理解するには、その数値の文脈をふまえて解釈することが重要です。
数値は確かに、パッチで加えた調整の影響を推し量るうえで重要な指標ですが、こうした理由もあって、バランスを単純な数値に基づいて調整していません。
Q.3
ミッドシーズンのパッチでアーマーに変更が加えられた後、リーパーやバスティオンのタンクに対するプレッシャーが減り、特にリーパーは弱くなりすぎたように思います。
その一方で、キャスディやアッシュといったシングルショット系のキャラクターがリーパーとは対照的に過剰にバフされたので、タンクに対するプレッシャーを下げるという目標も達成されていないように思えます。
最初は焦点が定まってませんでしたが、徐々にリワークの対象を「シャドウ・ステップ」へと絞りました。
チーム内で好評のアイデアが生まれたのですが、その実装が技術的にかなり難しいので、現在どこまでそのアイデアを形にできるのか検討しているところです。
これとは別に、リーパーは最近の調整でかなりパワーダウンしてしまったため、何らかのバフを与えようと検討しています。
もちろん、リーパーが「タンクバスター」に変貌しないよう、十分配慮するつもりです。
あと、キャスディのサブ攻撃がアーマーの調整後、タンクに対して効果的になりすぎていると考えています。
シーズン11では「マグネティック・グレネード」への変更に焦点を当てる予定です。
Q.4
この変更は意図的なものですか?
ノックバックが減るアイデア自体は気に入ってますが、自分の弾で発生するノックバックが減ってしまう今の仕様を無くす予定はありませんか?
この問題は現在、修正されています。
Q.5
2人の大ファンとしてはとても残念です。
今後この2人にバフを加える予定はありませんか?(たとえば、ラインハルトの場合はシールドの強化やメイン攻撃の攻撃速度向上など。ライフウィーバーの場合は、メイン攻撃の切り替え速度向上、回復スキルのリワークなど)
日本ではこの2人のヒーローへのバフの声が以前から高まっています。
「オーバーウォッチ」チームの、皆さんの意見を聞かせてください。
A:チームでは現在(ちょうど今週)、ライフウィーバーに関する議論を進めており、前々から話題に上っていた「回復とダメージを切り替える際のぎこちなさ」について検討しています。
このアビリティの切り替えにもう少し柔軟性を持たせることができれば、ライフウィーバーのチーム戦における能力が飛躍的に伸びると思います。
また「ペタル・プラットフォーム」に関する実験も進めています。
個人的には、バフかその他の工夫を加えることで、例のプラットフォームをチームメイトがもっと利用したくなるようなアビリティにできればと思っています。
現在のところ、プラットフォームから味方が頻繁に飛び降りてしまう状況が続いているので、試行錯誤は今後も続きそうです。
ラインハルトのアビリティには、今のところかなり満足しています。
ラインハルトのピック率は高く、現在多くのランク帯で好成績を出しています。
逆にラインハルトがメタの頂点に立っている現状を見る限り、ラインハルトと一緒に選ばれることが多いヒーローたちが従来ほど強くないと言えます。
なのでシーズン11では、近接攻撃が得意なダメージヒーローを中心にバフを加えたいと考えています。
Q.6
ダイブ型のタンクは特定の地域で人気が高いといった情報や、新規プレイヤーは特定のキャラクターを使う傾向にあるなどの情報、パッチの意図に隠された背景情報などがあれば、ぜひ教えてください。
たとえば、欧米におけるロードホッグのピック率は、ほかの地域に比べてはるかに上ですが、その他の地域では、ザリアと同じくらいウィンストンやドゥームフィストなどがダイブに利用される機会が多いです。
こうした地域ごとの差はタンク以外のロールでも見られます。
たとえば、アナは世界中で人気のヒーローとして知られていますが、一部の地域ではサポートヒーローの中でもダントツの人気を誇っています。
そして、こうした大人気の地域では、アナのパフォーマンスも平均より高いことが多いです。
その一方低ランク帯では、大きな差異が一部あるとはいえ、アナ、バスティオン、キャスディ、ジャンクラット、マーシー、ウィンストン、ザリアの使用状況が似通っています。
Q.7
例えば、ロール別に見て、利用方法や勝率が大きく変わったヒーローなどはいますか?
今回の変更でパフォーマンスが悪化したヒーローに、どのような変更を加えるのかも気になります。
また、最近のパッチで、アーマーの仕様がOW1の頃に戻りました。
この決定にいたった経緯について、もう少し詳しく教えてください。
この変更は開発チームが思い描いていたメタの変化につながりましたか?
よければ今後の計画についても知りたいです。
また、アーマーの仕様変更には「タンクバスター」に圧倒される状況を減らす狙いもありました。
ノックバック耐性の向上(50%に変更)を含む今回の変更の意図は、タンクの前線維持能力の改善とタンク自身の生存力向上にあります。
直近のいくつかのパッチと比較すると、大半のタンクヒーローの生存力はわずかに向上しています。
現在オリーサとマウガの生存性が低くなっていますが、これはシーズン9以降のバランス調整でダメージを受け止める能力に直接変更が加えられた結果です。
初期の傾向を見る限り、ヘッドショット由来のダメージが減るパッシブやジャンカー・クイーンの「コマンディング・シャウト」などへのバフのおかげで、タンクの生存力が向上しています。
最大ライフ値に基づいた回復パッシブを導入したこともあり、タンクヒーロー全員に自己回復力の増加傾向がみられ、ウィンストンなどの機動性の高いタンクほどその傾向は顕著でした。
今回の変更の大半で十分な成果を得られたので、私たちは今のところ、アーマーをさらに大調整する必要はないと判断しています。
もちろん、今後もメタの変化などに注意を払い、タンクヒーローの個別調整を必要に応じて進めていきます。