今後のランクマッチ変更点まとめ
本日公式より開発者ブログが更新され、ライバルマッチの変更内容が公開されました。
■シーズン3の変更点
・ランク査定に必要な勝利数を7→5、敗北数を20→15に削減
・ロールデルタ(ロールごとの実力差)の改善を実施し、両チームの各ロールでMMRが近いプレイヤーを配置するように調整
・シーズン途中のパッチでUIが更新、ライバルプレイのアップデートの進捗状況が常に確認できるように調整
・シーズン途中のパッチでTOP500のプレイヤーが各マッチ後にトップ500ランキングの順位が更新されるように変更
■今後の変更予定
・MMRのばらつきが近いグループ同士をより頻繁にマッチングさせるような変更に取り組み中
・シーズン4からシーズン切り替わり時のランクリセットと、現在および過去のシーズン切り替わり時のランク低下をすべて廃止
・シーズン4でライバルプレイのアップデート画面に現在の勝敗に関する情報を追加
・ゲームのマッチメイキングの精度に関する情報をより多く提供できる方法も検討
まえがき
ヒーローの皆さん、マッチメイキングのディープダイブの第2部にようこそ!
第1部ではマッチメイキングの仕組みについてお伝えしました。
マッチメイキングは非常に複雑なシステムのうえに成りたっており、各マッチが限りなく公平となるようにさまざまな情報を元に調整が行われています。
第2部ではライバル・プレイの観点から、マッチメイキングに関するコミュニティの懸念事項を取り上げていきます。では、本題に入りましょう!
今回の要約
ランク戦は表示されているスキル・ティアに関わらず、内部マッチメイキング・レーティング(MMR)に基づいて組まれます。
MMRは各マッチの結果によって変動し、対戦相手のランク、最後に何日前に対戦したかなど、いくつかの要因によってMMRが増減します。
対戦やマッチメイキングに関して、コミュニティ内でいくつか問題が発生していることを開発チームは把握しています。
マッチメイキングに一連の改善を予定しており、ライバル・プレイのシステムのアップデートにも取り組んでいます。
シーズン3のライバル・プレイでは、「ライバル・プレイのアップデート」に必要な勝利数を7から5に、敗北数を20から15に減らす予定です。
マッチメイキングにおいてはロールデルタ(ロールごとの実力差)の改善を実施し、各ロールにおいて近いランクのプレイヤー同士をマッチングするようにします。
シーズン4ではライバル・プレイのアップデート画面に現在の勝敗に関する情報を追加する予定です。
マッチメイキングとライバル・プレイの両方で、より長期的な機能とアップデートの作業に着手しており、こうした計画についてはまたの機会にお伝えできたらと思います!
現在のライバル・プレイの様子
スキルのばらつきが大きいマッチが発生しているというフィードバックをいただいており、発生の原因と今後の対処法についてお話したいと思います。
現在はメンバーのMMRに差があってもグループを組めるようなシステムになっていますが、これがマッチ内で大きな実力差を生む主な要因になっています。
現在、MMRのばらつきが近いグループ同士をより頻繁にマッチングさせるような変更に取り組んでおり、これにより実力差が大きいマッチの起こる頻度を大幅に減らすことができると考えています。
この変更が実施されれば、ソロプレイヤーやスキルのばらつきの少ないグループが、ばらつきの大きいマッチに組み込まれる可能性がかなり低くなります。
表面的なスキル・ティアの差が大きいマッチでも、両チームのMMRの差だけを見るとほぼ釣り合いが取れているものです。
シーズン初めにランクが一部リセットされることで、実際より見かけのランクが低くなり、実力差が誇張されて見えることもあるかもしれません。
また、シーズン開始時のリセットとは別に、長期間活動を休止しているプレイヤーはスキル・ティアもMMRも時間の経過とともに低下します。
復帰したプレイヤーが日常的にプレイを再開すると、スキル・ティアが通常よりも激しく変動し、そのプレイヤーの現在のスキルを正確に把握します。
また、「ゲームが安定しない」「一方的なゲームになってしまう」といった声もコミュニティから挙がっており、それらも参考にさせていただいています。
現在、開発チームでは一方的なマッチの原因とその頻度を減らす方法を理解することに注力しています。
「オーバーウォッチ」ではバランスの取れたチーム同士であっても一方的なように感じるマッチが起こりうるので、なかなか厄介な問題です。
そこで、まずはこの問題を調査し、一方的なマッチを引き起こすさまざまな要因を把握することにしました。
この件について進展がありましたら今後の開発者ブログでお伝えしていくつもりです。
ライバル・プレイのアップデートについても検討を重ねています。
スキル・レートのような細かい数字にこだわることなく上達を実感してもらうことは重要ですが、私たちもコミュニティの皆さんと同様に、現状ではライバル・プレイのアップデートの頻度が少なすぎると感じています。
今後の方向性
シーズン3に実施する予定の変更
コミュニティからのフィードバックに基づき、両チームの各ロールでMMRが近いプレイヤーを配置するようにマッチメイキングの改善を実施します。
たとえばタンク同士で実力の近いプレイヤーがマッチングするようになり、他のロールについても同様です。
この変更の目的はチーム全体を見てバランスを取るのではなく、各ロールの平均MMRをより均等にすることです。
マッチメイキングのシステムが大きく変更されることになるので、意図しない変化がないかを積極的に監視していきます。
ライバル・プレイのアップデートを取得するまでに最大26マッチもプレイしなければならないのはプレイヤーの意欲をそぐという意見も見受けられました。
シーズン3より、5勝および15敗するごとにライバル・プレイのアップデートが行われるようになります。
また、シーズン3のシーズン途中に導入されるパッチではUIも更新され、ライバル・プレイのアップデートの進捗状況が常に確認できるようになります。
さらに、シーズン途中のパッチからトップ500のプレイヤーに対して、ライバル・プレイのアップデート時ではなく各マッチ後にトップ500ランキングの順位が更新されるようになります。
近い将来に向けた取り組み
シーズン切り替わり時のランク低下やランクのリセットについて、皆さんから数多くのフィードバックや不明点の問い合わせをいただきました。
シーズン4よりシーズン切り替わり時のライバル・プレイのランクリセットと、現在および過去のシーズン切り替わり時のランク低下をすべて廃止する予定です。
シーズン4ではライバル・プレイのアップデート画面に現在の勝敗に関する情報を追加し、引き続きライバル・プレイのアップデートを構築していきます。
この追加要素を導入することで、皆さんがアップデートによるスキル・ティアやディビジョンの変化をより良く理解できるようになることを期待しています。
また、ゲームのマッチメイキングの精度に関する情報をより多く提供できるような方法も検討しています。
長期的な計画と目標
長期的には、「オーバーウォッチ 2」でプレイヤー同士がやりがいのあるライバル・プレイ体験を共有できるような新しい方法を提供する予定です。
この点については時期がきましたら詳しくお伝えします。
とはいえ、マッチメイキングの改善は開発チームにとって永遠の課題ですので、マッチメイキングのアルゴリズムのテストと継続的な改善に引き続き注力していきます。
最後に、今後も皆さんのフィードバックに耳を傾けながら、時間をかけてライバル・プレイの全般的な体験を改善していきたいと思います。
これからも、私たちの目標は誰にとっても公平でバランスの取れたマッチメイキングを提供することです。
まとめ
マッチメイキングの目標は各マッチを可能な限り公平にすること。
つまり、個々のマッチにおいて、各チームの勝敗のチャンスが等しくなるようにすることです。
「オーバーウォッチ」は公平にプレイできてこそもっとも楽しいものになると確信しています。
本作がその目標に沿うよう、開発チームは新しい変更や調整を考え、実施することに全力を注いでいます。
「オーバーウォッチ 2」は新しいゲーム・モード、新ヒーロー、新マップなど、常に進化し続ける体験を提供します。
それは、ゲーム体験そのものも進化することを意味します。
マッチメイキングの仕組みを効果的に変更し、皆さんとの明確なコミュニケーションを通じて、可能な限り公平なマッチメイキングを実現できるよう努力していきます。
それでは、戦場でお会いできるのを楽しみにしています!
よくある質問
Q:意図的に有利/不利なマッチとなるようプレイヤーを振り分けることはありますか?
A:「オーバーウォッチ」にはあらかじめ勝ち負けが約束されたマッチングは存在しません。
システムがマッチメイキングを行う際は、現在のMMRだけを考慮しています。
プレイヤーの勝率が50%となるように調整することはありませんし、特定のプレイヤーを優遇することもありません。
マッチメイキングの核となるのは数学的な計算式であり、可能な限り公平なゲームを実現するために、ランクの近いプレイヤー同士をマッチングさせる仕組みとなっています。
Q:連続で勝ったり負けたりするときがあるのはなぜですか?
ランクを調整する一番の方法は、ライバル・プレイを続けることです。
データが多ければ多いほど、自分のスキルがもっとも良く反映されたランクに近づくことができます。
ですが、稀に運よく連勝したり、なぜか連敗してしまうことがあります。
この点については調査中で、今後このような連勝/連敗を減らすことができるかどうか、さまざまな変更を試す予定です。
Q:ライバル・プレイのランクはマッチメイキングに影響しますか?
プレイヤーの可視化されているランクはシーズン中にプレイし続けることで変化します。
シーズン開始時にランクが低下しても、プレイヤーの基本的なレーティングには影響を及ぼしません。
Q:シーズン開始時にマッチングの質が落ちるのはなぜですか?
レーティングはあなたが接触する他プレイヤーとの相対的なスキルの指標となります。人口が大きく変化するような出来事が起きると、この指標に乱れが生じてしまいます。
今後この件にどのように取り組んでいくべきか、現在模索しています!
Q:レーティングを完全にリセットすることはできますか?
仮にリセットすれば新規プレイヤーがオーバーウォッチ リーグのプロプレイヤーとマッチングしてしまい、最初の30秒は楽しいかもしれませんが長期的に見るといい影響はありません(社内のプレイテストで実証済み)。
誤解のないようにいうと、レーティングはすべてのプレイヤーの技量を100%正確に表しているわけではありません。
レーティングが適切でないプレイヤーも中にはいますが、システムには何百万人ものプレイヤー(そのほとんどは直接対戦したことすらありません)の相対的な技量に関する膨大な知識が蓄積されているのです。
Q:自分のスキルを反映していない低いレーティングから抜け出せないのはなぜですか?
どのプレイヤーもランダムな9人のプレイヤーとランダムなチームに入れられているので、マッチを十分に重ねればそのプレイヤーの貢献度が唯一の不変の要素となり、最終的にレーティングがそのプレイヤーのスキルを反映することになるはずです。
しかし、ここには状況をより複雑にする興味深い現象があります。
例えば、マッチの平均レーティングが低いほどマッチの予想がつきにくくなるというデータがあります。
2つのチームがまったく同じレーティングであることはないため、どちらのチームが勝つ可能性が高いかを予測することが可能です。
チームの連携、ゲームプレイのミス、まだ各ロールと30種類以上のヒーローを試している最中の新規プレイヤーの参加など、さまざまな要因で必ずどちらかのチームがわずかに「有利」になります。
そうした要素によって、レーティングの調整に欠かせない情報がやや少なくなってしまうのです。収集した情報をより明確に使うための工夫も行っていますので、今後の変化にご期待ください!
Q:では、キル数、与えたダメージ量、仲間への回復量、その他のスコアボードの統計は、各マッチ後のMMRの変動に反映されないということですか?
A:「オーバーウォッチ 2」では、各マッチ後のMMRの変動は、(スキル・ティアに関わらず)マッチ中のパフォーマンスに影響されません。
これにはいくつかの理由があります。プレイヤーの皆さんには、目標を達成しマッチに勝つ以外のことに集中してほしくないのです。
与えたダメージやキル数が一番でも、ペイロードを押したり目標を確保したりするのに役立たなければ、チームに貢献したことになりません。
また、ヒーローによっては(特にサポートの場合)、マッチ中の数値がスキルを反映しているかどうか判断するのが難しい場合もあります。
Q:配信者やプロのプレイヤーがマッチメイキングで長時間待たされ、質の悪いマッチに入れられてしまうことが多いのはなぜですか?
A:マッチの質を左右する最大の要因は、そのスキルレベルのプレイヤーの人口にあります。下位ランクの何百万という人口に比べれば、トップ500の人口は非常に限られます。
レーティング分布の中央付近ではキューに参加しているプレイヤーが大勢いて、その中から適切なマッチを組むことができるので、質の良いマッチを確保するのが容易です。
一方でオーバーウォッチ リーグのプロの人口は、全プレイヤーの0.00001%ほどでしょう。
トップレベルのプレイヤーは同じ技量のプレイヤーの数が少ないので、良い体験を提供するのが非常に難しいのです。
この問題を突き詰めると、質の悪いマッチングを行うか、(今でさえトッププレイヤーは非常に長く待たされているにも関わらず)さらにキューの時間を劇的に増やすか、という難しい選択を迫られることになります。
MMRが高いプレイヤーのためにマッチの質を向上させるような変更も予定しており、将来的にはさらに磨き抜かれたシステムを提供できるように協議しています。