元OWリーガーToyouのブログが話題 - プロシーンの裏側を赤裸々に公開

元Overwatchリーガーで、Seoul Dynasty、Vegas Eternal、Sin Prisa Gamingなどでタンクとして活躍したToyouが、2024年に公開したプロシーンの裏側を詳細に綴ったブログがためになると今になって話題になっていました。年俸、1日のスケジュール、入団テストの実態、オフシーズンの過ごし方など、現役選手時代の経験を基にした貴重な情報が満載。特に「Overwatch League最低年俸は約780万円だが、シーズン終了後は給与支給が停止されるチームもある」など、現役選手だからこそ知る生々しい実態が語られています。

Toyouのキャリア

Toyouは2020年にGen.G 2軍から3ヶ月でSeoul Dynasty 1軍に昇格し、デビューを成功させた選手です。2020年はOWL準優勝、Contenders準優勝を達成。2021年はSeoul Dynastyで再契約、2022年はSPGで準優勝2回、2023年はVegas Eternalで海外リーグを経験、2024年6月に引退しました。

別ゲームのTales Runner時代には2015年に国家代表優勝(金メダル)、2017年に個人戦優勝という実績も持っています。

Overwatch League最低年俸は約780万円

Toyouによると、Overwatch Leagueには選手への最低年俸規定があり、5万ドル(約780万円、2022年以降は50,700ドル)が保証されていたとのこと。新人選手は平均的に5-6万ドルを受け取っていました。

「1部リーグに進出するだけで、選手が保障される最低年俸は当時の約780万円でした。だから1部リーグの選手たちはかなり豊かな生活ができました」

年俸は実力と経歴に比例するため、新人選手は最低年俸に近い金額を受け取るのが一般的だったそうです。

ただし、落とし穴もありました。

「チームによって異なりますが、もし私が年俸5万ドルで契約していても、5万ドル全額を受け取れない可能性がありました」

「なぜなら、シーズンが終わると給与支給も停止するケースがあったからです。例えば、チームとの契約が来年1月1日までだと仮定して、今年度10月に大会が終わったら、残り2ヶ月分は給与を受け取れないのです」

「残念ではありますが、ある意味当然です。仕事をしていないわけですから」

2部リーグContendersは月0円~30万円

一方、2部リーグのContendersには最低年俸規定がなく、チームによって大きく異なったそうです。

「2018年から2020年のOverwatchが盛り上がっていた時期は、Contenders選手が毎月受け取る金額は0円~30万円程度でした。当時は1部大会の人気が高かったので、リーグアカデミーを運営するチームも多く、2部大会も注目されていました」

「2021年から2023年は、Contenders選手が毎月受け取る金額は0円~15万円程度でした。市場規模が比較的小さくなったためです」

「金額が0円から始まる理由は、Contendersには最低年俸規定がなかったからです。チームが企業の後援を受けて運営されていれば給与を受け取れますが、個人がチームを運営している場合は給与がない可能性もありました」

現在のOWCSは「Contenders時代より良い」

2024年に新設されたOWCSについて、Toyouは慎重に言葉を選びながらも状況を説明しています。

「OWCSもContenders時代と同様に最低年俸規定はありません。ただし、私がOWCS大会を経験していた当時、『リーグ最低年俸程度を受け取るチームもあるらしい』という話を聞いたことがありました」

「噂で聞いたので、実際にはもっと高い年俸を受け取っているかもしれませんし、もっと低い年俸を受け取っているかもしれません。しかし私の経験談と周囲から聞こえてくること、そしてOWCSが運営されている状況を見ると、根拠のない話ではないと思います」

「確実なのは『現在の市場規模はContenders時代よりは良い』ということです」

プロゲーマーの1日 - 出退勤は流動的

Toyouによると、プロゲーマーの1日は「出勤→フィードバック→スクリム→個人練習→退勤」という流れだったそうです。

「出勤時間と退勤時間は全て流動的です。私たちがよく知っている会社員生活は通常9:00~18:00のように決まっていますよね。でもプロゲーマーは出退勤基準が明確に決まっていません。所属チームごと、日程によって少しずつ異なります」

出勤は「明日は〇〇時までに集合」とスタッフが決めますが、チームや会社の日程によって1時間早くなったり遅くなったりするとのこと。

退勤については特に興味深い実態が明かされています。

「退勤の場合、自分が練習したいだけ、自分が寝に行きたい時まで練習してから退勤します。だから同じチームメイトでも退勤時間が全員違います。誰かは深夜1時まで練習してから寝に行き、誰かは深夜2~3時まで練習してから寝ます」

「実力向上のために練習時間を増やすことも重要ですが、プロならコンディション管理も非常に重要な要素です。『チーム』ゲームである以上、一人一人の役割遂行が非常に重要なのに、自分のコンディションのせいで練習にまで影響を与えて実力を発揮できなければ、それは個人だけでなくチームメイトにまで影響を与えます。自分にも損害だし、チームにも迷惑をかける行為です。だからいろんな意味でコンディション管理が本当に重要です」

スクリムは1日3タイム、1タイム2時間

スクリムについて、Toyouは詳細なスケジュールを公開しています。

「1日にスクリムを進行する回数はチームによって異なりますが、Overwatchの場合、午後2:00~4:00 / 午後4:00~6:00 / 午後8:00~10:00、通常このように3タイム進行します。そして1時間に1回、5-10分程度の休憩時間を持ちます」

「例えば2時にスクリムを開始したら、2:00スクリム→3:00-3:10休憩時間→3:10-4:00スクリム、このように進行します。休憩時間には各自休息を取ったり、スクリムで出てきた問題点について話しながら時間を過ごします」

ただし、4タイムは推奨されていません。

「たまに大会直前でスクリムの必要性を感じたら、1日に4タイムを進行することがあります。ただし1日に4タイムは実はあまりやらない方です。なぜならスクリムは多くの集中力と体力が要求されるのに、1日に4タイムも進行すると選手の集中力が落ちてスクリムの過程が良くないからです。過程が良くないと正しい練習ができず、それによって望むデータも蓄積できません」

韓国と北米のスクリム文化の違い

海外チームVegas Eternalでプレイした経験から、Toyouは韓国と北米の違いも語っています。

「私は韓国と北米のチーム生活を両方経験しましたが、韓国と北米のスクリム文化が少し違いました。」

「違いを見ると、韓国は2タイムを続けてやってから2時間休むのに対し、北米は1タイムごとに1時間ずつ休みながらやるという違いがありました。長所短所がありますね」

「またチャットに関して、韓国はゲーム中にチャットを打つと礼儀に反する感じが若干ありますが(もちろん親しい選手同士は冗談も言い合います)、北米はチャットを自由に打ったり愉快な文化でした」

入団テストの実態 - 「既に決まっていることもある」

入団テストについて、Toyouは興味深い裏話を明かしています。

「たまにテスト前に、該当チームのコーチングスタッフが既に採用したいメンバーをある程度決めてから進行するケースもあります」

「じゃあテストをなぜ受けるの?そのまま採用すればいいじゃない?様々な理由があり得ますが、念のためテスト過程を経て確実に行くためである確率が高いです。あるいは選手が優位な立場に立つのを防ぐためかもしれません」

「選手にラブコールを入れると、選手に『行くか、行かないか』という選択肢が生まれるため、チーム側は年俸交渉が不利になります」

しかし、テストで状況が変わることもあります。

「実際に私も選手時代に経験したことがあります。Aチームに合格した当時、事前に私ではなく他の方を採用する予定だったのですが、私がスクリムで良い姿を見せたおかげで結果が変わったと聞きました」

「もしテストを準備している選手の方がいらっしゃったら、たまたま何らかの噂に接しても、諦めずに最善を尽くすことが自分にとって良いと思います。自分のせいで結果が変わるかもしれないし、自分の姿を良く評価した誰かのおかげで新しい機会が訪れるかもしれませんから」

オフシーズンは「心理的プレッシャーが大きい」

オフシーズンについて、Toyouは休息よりも移籍活動の重要性を強調しています。

「オフシーズンが来たということは、チーム、選手、会社全てに余裕ができたという意味です。大会中に一生懸命走ってきた分、休息もよく取らないといけません」

「しかしプロゲーマーには休息よりも最優先すべき点があります。それが移籍シーズンです。自分の価値を立証して年俸を上げ、より良いチームに入って選手生活を続けていかなければなりません」

特に契約が決まっていない選手にとって、オフシーズンは精神的に厳しい時期だと語っています。

「テストは関係者の方から別途連絡が来るか、募集告知が出た場合に進行します。でもテスト人員を募集して開始するまでの過程が本当に短いです。チームによって異なりますが、平均的には1週間もかからない感じです」

「でももし私がずっとチームを探している立場だったら?いつ開かれるか分からないテストをずっと準備していなければなりません(笑)。だから大会がないにもかかわらず、余暇時間を簡単に楽しめません。何か継続して練習しなければならないような強迫観念が浮かびます」

「個人的に移籍シーズンが終わるまで準備もしてみたし、移籍シーズン途中で1軍に合流した時との違いは、確実に後者の方が心理的安定感も高かったし、休息も心安らかにできました。余暇時間を多く持ちたいなら、契約を早く勝ち取るのが最も良いです」

大会当日のウォーミングアップスクリム

大会当日について、Toyouは準備の重要性を語っています。

「経験上、大会前にゲームを1試合でもやって入るのと、やらないのとでは選手にとって差が非常に大きいです。なぜなら自分の今日最初のゲームが試合だったら、自分の頭と手が固まっている状態な上に、緊張感と不安感が相対的に高いからです」

「頭と手が解けていないのは分かる。でも緊張感と不安感はなぜ高い?体が固まっているから迫ってくる試合が不安で、不安だから緊張につながるためです。大会は自分に確信を持って入らなければなりませんから」

ただし、大会当日のスクリムは「軽め」に行うそうです。

「大会当日に進行するスクリムは比較的軽く進行します。なぜならウォーミングアップの概念なので、脳を活性化させて体をほぐすことが目的だからです」

「もし大会当日まで何らかの練習を目的にスクリムに臨むなら、個人やチームが準備できていないという意味です。普段はスクリムで望むデータを蓄積し、十分な練習と最善を尽くした努力の後、自信と確信を持って大会に入らなければなりませんから」

チーム会議は「成長の機会」

チーム会議について、Toyouは単なるフィードバックの時間ではなく、成長の機会だと語っています。

「会議を進行することがスクリムをすることよりチームに良い効果を見せる時が多いほど重要な時間です。また、チームワーク、リーダーシップ、学びなど、個人的にも様々な方面で発展できる機会でもあります」

特にSeoul Dynasty時代の経験を振り返っています。

「私が2020-2021年にSeoul Dynastyチームで生活していた時、同じチームに実力が優れて経験が多い選手とコーチの方々が多くいらっしゃいました(APEX、リーグ優勝、準優勝出身など)。その時チーム会議が頻繁だったので、ゲーム関連で話をたくさん交わしましたが、確かに経験が多い人たちが集まった分、レベルの高い会話が交わされました」

「当時私はちょうど1部リーグにデビューした新人でもあったし、実力も経験も多くなかったので、さらにそう感じたようです。2020-2021シーズンSeoul Dynastyでの生活のおかげで、ゲームを見る目が大きく高まりましたし、特にゲーム、リーダーシップ関連では、主将だったGesture兄を見ながらも多く学んだようです」

「その時の生活がなかったら今の私はなかったと思うほど、様々な方面で成長して得たものが多いと感じ、良い記憶として残っています」

Sin Prisa Gaming代表の熱意

2部チームSin Prisa Gamingでの経験について、Toyouは代表の熱意を称賛しています。

「実際に私がSPGチームで生活していた当時聞いた話ですが、チームで稼ぐ収益はひたすら賞金だけだったと聞きました。Contenders、OWCS初期時代はほとんどのチームがスポンサーがない状況でした。だから熱意払いのチームが多かったです」

「それでもSPG代表がチームメイトたちのために資金を使ってチームを運営されました(月給だけでなく会食、宿泊など)。だからおかげでチームメイトたちも心配を減らして過ごせました。いろいろと感謝な気持ちが残ります」

「そしてValorant SPGチームが『VCT Ascension Pacific』で優勝してValorant 1部リーグに進出しました。該当大会決勝戦の前日にSPG代表と会話を少し交わしましたが、チームメイトたちがうまくいってほしいという気持ちと情熱があふれる方です」

当時のSPGロスター

プロゲーマーに必要な6つの要素

Toyouは自己管理の重要性について、6つの要素を挙げています。

1. 実力(脳力+フィジカル)
「チーム会議時間やゲームをする時、他の人の話を集中して聞いて良い知識を持ってきて自分のものにする。チームメンバーの中で賢い人やオーダーができる人がいればなおさら(=学ぼうとする姿勢)」

2. 過程(自分ごと化、目標設定、努力)
「目標、方向性設定を自分ごと化して書く(非常に重要)。メモをする時はどう書こうと自分ごと化してメモしてください。そうしてこそ記憶がよく残ります。他人が見た時は微妙なメモでも、自分は見てすぐ分かるように書いておかなければなりません」

3. 休息(体と心の休息)
「休息もうまく取らなければ、モチベーションも生まれて能率も上がって長い時間走ることができます。私が以前プロ志望生から1軍で生活する時まで、休息の重要性を知らず、練習に対する強迫観念が強かった時期がありました。人としての人生はなく、プロゲーマーとしての人生だけ生きていました」

4. 言動(態度)
「些細でも自分の言葉と行動は自分の内面的な姿を映すと同時に自分を作っていきます。プロゲーマーという職業は特に他人に見られる職業なので、必ず責任感を持って行動しなければなりません(本当に重要)」

5. 人間関係(調和)
「チームメイトと一緒に仕事をする職業と環境である以上、人間関係(調和)が重要です。日常の関係で尊重が消えると心が苦しいという文章を見たことがあります。個人的に結果が良くなくても過程が良ければ記憶に残るようです」

6. 感謝(2つ)
「1. 現在自分の人生、位置に対する感謝。2. 自分を応援してくださる方々への感謝。誰かが時間を割いて、多くの人々の中で自分という人がうまくいってほしいという心を持って応援してくださるのは、人対人として本当に感謝すべきことです」

まとめ

元Overwatch LeagueプロゲーマーToyouが、プロシーンの裏側を赤裸々に綴ったブログが話題になっていました。

選手だからこそ知る生々しい実態が詳細に語られています。

ブログURL: https://blog.naver.com/happytoyou__

コメント一覧
  1. 匿名 より:

    へー!めっちゃおもしろい
    プロ目指してる子とかめっちゃ役立ちそう

  2. 匿名 より:

    owlはこの年俸最低保証のせいで複数年契約したベンチ選手に予算喰われる事例出てから1年契約しかしなくなったみたいだしな

    • 匿名 より:

      それでもルシオOTP入れるチームがあったりどのチームも細かく選手獲得して大量に抱えてたからマジですごい時代だったよな

      • 匿名 より:

        リーグじゃパリとかロスター数凄いことなってるシーズンあったし、コンテンダーズじゃリーグ確定枠のta1yoはTIで無給の中目バッキバキでランクも大会もやってたから相当環境自体は良くなってるよ

コメントを残す

Twitterでフォローしよう